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円熟期を楽しむ長谷部誠、35歳の新たな発見

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「今は改めて『サッカーは面白いな』と感じている」。35歳の誕生日を迎えた翌日の1月19日、ブンデスリーガ第18節のフライブルク戦にフル出場した長谷部誠は、試合後にそんな言葉を口にした。ブンデスリーガ在籍12年目に突入したベテランのプレーは円熟味を増すばかりだ。

今季はワールドカップ後の“燃え尽き”によるモチベーションの低下から序盤戦にボジションを失った。それでも一度メンバーから外されたことで奮起し、すぐに持ち前の安定したパフォーマンスを発揮。再びフランクフルトにとって不可欠な存在になった。日本代表からの引退によってプレッシャーや長距離移動の疲労から開放され、年末には絶大な信頼とともにクラブとの契約を更新。今は心身ともに充実の日々を過ごしている。

目の前の試合に集中できる環境を手に入れたことで気づくことも多い。これまでは夢中で駆け抜けてきたが、35歳になった今、“円熟期”にある自身のキャリアを改めて実感し、それを楽しんでいる。「経験からくるものは間違いなく自分の中で武器になっている。自分の中で落ちていくものも感じているけど、今はそれを経験で補うぐらいにはやれていると思う」

長谷部は34歳になった1年前にこんな話をしていた。「30歳を過ぎてもまた新しい発見はあるし、これからも求めていきたい」。そこからの1年間で様々な経験、環境の変化を経て達したのが“円熟期を楽しむ境地”だ。これこそ追い求めていた「新たな発見」の一つであり、それは自身の進化にもつながっている。

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今季前半戦、長谷部は『キッカー誌』の採点で、名だたる選手たちを抑えてセンターバック部門の1位に輝いた。「コンスタントにプレーして、それを評価してもらえたのは非常にうれしいし、もちろん自信になる」。だが、それでも満足することはない。「前半戦だけじゃなくシーズン通してそういう評価を得ることが真の評価になると思う。後半戦は僕にとって、また新たなチャレンジかなと思います」

11年前に始まったブンデスリーガの挑戦において、長谷部は本職のボランチから自ら「最適のポジション」と語る“リベロ”のポジションへとたどり着いた。そしてリベロを確立した“皇帝”フランツ・ベッケンバウアーを輩出したここドイツで、継続的に高く評価される選手になった。「(自分がやれていることに)ドイツの人たちもみんな驚いているし、もっと驚かせたいと思います(笑)」。円熟期を楽しむ35歳の進化はまだ続きそうだ。

文=湊 昂大(Text:Kota Minato)