ヤングスターFILE:アレクサンダー・ニューベル(シャルケ)
ブンデスリーガの有望な若手選手を紹介する「ヤングスターFILE」。第7回はシャルケの22歳のGKアレクサンダー・ニューベルに注目!
フェアマンと切磋琢磨する新鋭
前半戦13位からの巻き返しを期すシャルケが、正GKの変更という大きな決断を下した。ウィンターブレイク明けの初戦となったブンデスリーガ第18節のヴォルフスブルク戦、キャプテンのラルフ・フェアマンに代わってゴールマウスを託されたのは、Uー21ドイツ代表でレギュラーを務める1996年生まれの俊英、アレクサンダー・ニューベルだった。
ニューベルがシャルケに加入したのは2015年夏。パーダーボルンで師事したアンドレ・ブライテンライター監督に誘われ、その恩師と同じタイミングでクラブの門をくぐった。現在はハノーファーを指揮するブライテンライター監督は当時をこう振り返る。
「パーダーボルン時代にUー19から(トップチームに)引き上げたのは、彼が大きな可能性を秘めていると分かったからだ。シャルケに連れてきたのにも理由がある。素晴らしいGKであるフェアマンから多くを学んで、次の段階へ成長できると考えたんだ」
フェアマンの壁は高く、加入1、2年目はセカンドチームが主戦場だった。3年目の昨季にようやく第2GKに定着したが、ベンチを温める日々に苦悩し、移籍願望を口にしたこともあった。
そうした苦労を間近で見てきたからだろう。フェアマンはヴォルフスブルク戦後、自身のレギュラー落ちに不貞腐れるのではなく、好パフォーマンスを見せた後輩を労った。そのシーンからうかがえるのは健全なライバル関係だ。ニューベルは今後も頼れる先輩と切磋琢磨しながらスキルアップに励んでいくだろう。
クラブOBのノイアーにも例えられる
ニューベルのスキル面で特筆すべきは足元の技術だ。Uー14までフィールドプレーヤーだったこともあり、左右両足を遜色なく使いこなす。フィードの質や「守から攻」への切り替えも素晴らしく、カウンターの起点として機能する。モダンなGKに求められる資質がしっかりと備わっている。
反射神経は抜群、鍛え上げた脚力を生かしたセービングも質が高く、至近距離からのシュートを防ぐシーンも珍しくない。ヴォルフスブルク戦でも試合開始早々、アドミル・メーメディが放ったヘディングシュートを左手一本で見事に弾き出してみせた。
プレーの特徴やシーズン途中にレギュラーの座をつかんだという類似点から、ニューベルはクラブOBのマヌエル・ノイアーに例えられることもある。実力者のフェアマンから定位置を奪った22歳の新星は、後半戦のシャルケにおける最大のキーマンになるかもしれない。
文=遠藤孝輔
【2018/2019 ヤングスターFILE】
ドディ・ルケバキオ(デュッセルドルフ)
ルカ・ヨヴィッチ(フランクフルト)
フローリアン・ノイハウス(ボルシアMG)
ダヨ・ウパメカノ(ライプツィヒ)
ジャンフィリップ・ジュバマン(マインツ)
マクシミリアン・エゲシュタイン(ブレーメン)