ボルシア・ドルトムントの新監督に就任したヌリ・シャヒン。 - © IMAGO/Hesham Elsherif
ボルシア・ドルトムントの新監督に就任したヌリ・シャヒン。 - © IMAGO/Hesham Elsherif
bundesliga

シャヒン体制で新たなスタートを切る新生ドルトムント

xwhatsappmailcopy-link

ロイス、フンメルスが去ったドルトムントはシャヒン監督のもとで新たなスタートを切る。

欧州の頂点にあと一歩まで迫ったUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦からわずか1カ月後、ボルシア・ドルトムントは新たなスタートを切った。 それは2024/25シーズンへの準備の開始であると同時に、変革期を迎えた「新生ドルトムント」の船出でもある。

昨季までのチームとの大きな違いの一つは、マルコ・ロイスとマッツ・フンメルスという二人のレジェンドが去ったことだ。ロイスは計12シーズン、フンメルスは計13シーズンの間、ジグナル・イドゥナ・パルクでチームを支えてきた象徴的選手たちであり、特に近年は経験豊富なベテランとして精神的支柱の役割も果たしてきた。また過去2シーズンの指揮を執ったエディン・テルジッチ監督がチャンピオンズリーグ決勝戦の3日後に辞任し、ピッチ内外で体制を一新することとなった。

そんな中で新たな旗手として監督に任命されたのは、彼らと同様にクラブのDNAを知るヌリ・シャヒンだった。ドルトムントの下部組織で育ったシャヒンは2005年に当時のブンデスリーガ最年少記録となる16歳334日でデビュー。フェイエノールトでの武者修行後に主力へと成長すると、2010/11シーズンには中盤で抜群の存在感を発揮しリーグ優勝に大きく貢献した。レアル・マドリードとリヴァプールでのプレーを経て2013年に復帰しドルトムントで公式戦通算274試合に出場、現役引退後はトルコのアンタルヤスポルで監督としてのキャリアをスタートし、今年1月にアシスタントコーチとして再びクラブに帰ってきていた。 

新加入のドイツ代表DFアントンは守備の柱として期待がかかる。 - Alexander Hassenstein

マネージング・ディレクターを務めるラース・リッケンは「ヌリはクラブとスタッフをよく知っており、選手とアシスタントコーチとしてBVBは彼のDNAの一部だ。彼が私たちにとって正しい監督であると確信しているよ」と今年既にコーチングスタッフの一人としてその手腕を発揮してきた35歳の若き指揮官に絶大な信頼を寄せている。

そして新シーズンに向けた補強の目玉となるのが、昨季2位でフィニッシュしたシュトゥットガルトから獲得したギニア代表FWセール・ギラシだ。昨季ブンデスリーガ28試合で28得点の大爆発を見せた大型ストライカーは、様々な形でゴールを奪うことができる卓越したフィニッシュ能力を誇る。ドイツでの実績も十分なだけにチームの得点源、攻撃の核として活躍が期待される。 

またフンメルスの穴を埋めるセンターバックとしては、同じくシュトゥットガルトの守備の要でありドイツ代表の一員として欧州選手権にも参加したヴァルデマール・アントンを獲得。代表の同僚であるニコ・シュロッターベックらとともに屈強なディフェンスラインの形成が期待される。

大きな期待が寄せられるのは新戦力だけではない。これまで多くの若き才能を育んできたドルトムントの方針は変わっておらず、19歳になったユスファ・ムココ、同い年のジェイミー・バイノー=ギッテンスは大きな飛躍を遂げる可能性を秘めている。ホルシュタイン・キールでの武者修行から帰ってきたU-21ドイツ代表DFトム・ローテ(19)、昨季終盤にプロデビューを果たしたU-18ドイツ代表MFキェル・ヴェッチェン(18)も注目の存在だ。