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ヤングスターFILE:タイラー・アダムズ(ライプツィヒ)

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ブンデスリーガの有望な若手選手を紹介する「ヤングスターFILE」。第10回は今年1月にライプツィヒに加入したアメリカ出身のホープ、タイラー・アダムズに注目!

ライプツィヒが好調だ。シーズン後半の7試合で4勝(2分け1敗)を挙げ、第13節終了時以来の3位に浮上。首位ドルトムント、2位バイエルン・ミュンヘンとの勝ち点差も「9」まで縮まり、わずかながら優勝の芽も出てきた。その躍進を支える一人がタイラー・アダムズだ。

現在20歳のアダムズは今年1月にニューヨーク・レッドブルズから加入し、第19節のフォルトゥナ・デュッセルドルフ戦でブンデスリーガデビュー。4ー0の大勝に貢献してすぐにラルフ・ラングニック監督の信頼をつかんだ。その後も順調に出場数を伸ばし、第22節のシュトゥットガルト戦では初アシストをマーク。自陣でのインターセプトから推進力のあるドリブルで持ち上がり、ユスフ・ポウルセンにノールックのスルーパスを通す見事なチャンスメークだった。

「素晴らしいアシストだった。我々がなぜ彼を冬に獲得したか分かっただろう」。ラングニック監督がそう称賛するアダムズの長所は数多い。豊富な運動量、デュエルの強さ、迅速な攻守の切り替え、安定したボールテクニック、非凡なダイナミズムと、ボックス・トゥ・ボックス型のMFに求められる要素を満遍なく備えている。また、サイドバックやウイングにも対応する戦術眼とスキルも兼備。10代でMLS通算74試合に出場した実績は伊達ではなく、若さに似合わない落ち着き払ったプレーを見せている。

- imago/Uwe Kraft

独自のプレッシングサッカーを展開するライプツィヒの戦術をいち早く理解した事実も見逃せない。そして、その適応を語る上で外せないのが、ライプツィヒのアシスタントコーチを務めるジェシー・マーズチの存在だ。マーズチはラングニック監督の影響を大きく受けた指導者で、昨夏まで率いていたNYレッドブルズでもやはりプレッシングサッカーを標榜していた。そのチームで中軸を担っていたのが他ならぬアダムズであり、ライプツィヒの戦術をイチから学ぶ必要がなかったのは大きなメリットだった。

母国ではクリスティアン・プリシッチ(ドルトムント)やウェストン・マッケニー(シャルケ)、ジョシュア・サージェント(ブレーメン)らとともに、アメリカ代表のホープとして大きな期待を寄せられる。ブンデスリーガでの挑戦はまだ始まったばかりだが、ファーストインプレッションはすこぶるいい。ドイツでの注目度が日増しに大きくなっている中で、どんな進化を遂げていくか楽しみな選手だ。

文=遠藤孝輔

- imago/GEPA pictures

【ヤングスターFILE】
Vol.1:ドディ・ルケバキオ(デュッセルドルフ)
Vol.2:ルカ・ヨヴィッチ(フランクフルト)
Vol.3:フローリアン・ノイハウス(ボルシアMG)
Vol.4:ダヨ・ウパメカノ(ライプツィヒ)
Vol.5:ジャンフィリップ・ジュバマン(マインツ)
Vol.6:マクシミリアン・エゲシュタイン(ブレーメン)
Vol.7:アレクサンダー・ニューベル(シャルケ)
Vol.8:ジョエリントン(ホッフェンハイム)
Vol.9:アルフォンソ・デイビス(バイエルン)