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bundesliga

浅野拓磨:2018/19シーズン総括

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浅野拓磨にとってドイツでの3年目は厳しいものとなった。ハノーファーで新たなスタートを切ったものの、最終的なブンデスリーガでの出場数は13試合にとどまり、無念のノーゴールに終わった。

プレシーズンマッチでゴールを量産し、シーズン最初の公式戦となったDFB杯1回戦で移籍後初ゴールを記録。2018/19シーズンは飛躍への期待とともにスタートした。しかし、ケガがすべての歯車を狂わせる。10月6日に行われた古巣シュトゥットガルトとの一戦で左太ももを負傷。焦りから早期復帰を優先させた結果、ケガの再発を繰り返し、一度は招集を受けた1月のアジアカップも辞退せざるを得なかった。

シーズン後半戦に入って戦列に復帰したが、完全に調子を取り戻すことはできなかった。「ケガの問題で自分自身を苦しめてしまった。ケガをしてからの難しさやケガとの向き合い方、自分の体を見つめ直すという部分で考えさせられるシーズンだった」

- Bongarts/Getty Images

そうした状況の中、4月には異例の起用禁止令が新たな障壁となる。アーセナルとの期限付き契約には、一定数以上試合に出場した場合に買い取り義務が生じる条項が含まれていた。しかし、2部降格が不可避な状況のクラブは浅野の買い取りを回避すべく、指揮官に残り7試合での起用を見送るよう命じた。

「来季につながるオプションが付いていることは契約時から知っていた。ただ、それはチームが残留したら自動的に来季もブンデスリーガでプレーする権利があるという、僕にとってポジティブなもののはずだった」

なにより結果が足りなかった。クラブの非情な決断を自らのゴールで阻止することができなかった。それは浅野自身が一番理解している。「攻撃陣である以上、この世界では結果が一番見られるところだし、それがなければ試合に出られないのは当然だと思う。この状況を招いてしまったのは自分自身でもある」

- imago images / Sven Simon

思えばドイツでの3年間は苦難の連続だった。2部でプレーしたシュトゥットガルトでの1年目は26試合に出場して4ゴール4アシストとチームの昇格に貢献したが、リーグ優勝が懸かったラスト3試合で起用されず、マイスターシャーレを掲げることを拒んだ。2年目は前半戦こそコンスタントに試合に出場したが、監督が代わった後半戦はまさかの17試合出場なし。夢だったロシア・ワールドカップの出場も逃した。

それでも悔しさを糧に前を向くしかない。「海外に来て気持ちよく終われたシーズンはないし、1年を通してチームの力になれていない。毎年、毎年、大きな壁にぶち当たっている。悔しいシーズンばかりだし、特に締め方が悪いですね。自分自身、見直さないといけないところはたくさんある。だけど、下を向いている暇はない。悔しい気持ちは持ちながら、『来シーズンこそは』という強い気持ちを忘れずに頑張りたい」

ハノーファーとの契約は6月で切れ、所属元のアーセナルに復帰する可能性も極めて低い。今のところ来季の去就は不透明だ。ただ、もがき続けられるうちは欧州で戦う意欲が消えることはない。「もう手段がないという状況になるまで、僕はJリーグに戻るという選択はしない。それぐらいの覚悟は持っている」

アーセナルとの契約が終わる新シーズンは今後のキャリアを占う大事な1年となる。来季どこでプレーすることになっても、「自分が笑っていられるかどうかは自分次第」。ドイツで味わった悔しさを胸に、浅野は勝負のシーズンに挑む。

文=湊 昂大(Text:Kota Minato)

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