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- © Hartmut Boesener / Eibner-Pressefoto via www.imago-images.de/imago images/Eibner
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ティモ・ヴェルナー:ライプツィヒのけん引者

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今季のブンデスリーガでは混戦模様の首位争いと同様に、得点王の称号を巡る争いも白熱している。大本命のロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン・ミュンヘン)が開幕11戦連発を含む18得点と歴史的なペースでゴールを重ねているが、独走態勢を築いているわけではない。同じくゴールを量産しているティモ・ヴェルナー(ライプツィヒ)がわずか2点差でレヴァンドフスキに食らいついている。

第15節を終えて首位に浮上したライプツィヒの絶対的エースは、第10節のマインツ戦から6試合連発の計10ゴールと大爆発。早くも昨季の16得点に並び、2016/17シーズンに記録したキャリアハイ(21得点)超えも時間の問題となっている。もし得点王の座を射止めれば、ドイツ人選手としてはアイントラハト・フランクフルトのアレクサンダー・マイアー(現ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ)以来、5シーズンぶりの快挙だ。

ロシア・ワールドカップで無得点に終わり、失意のまま迎えた昨季は、自身の契約問題もあって心身ともに疲弊している印象が否めなかった。欧州リーグ(EL)敗退時には、ローテーション制を採用するチームの方針に苦言を呈したこともあった。だが、現在のヴェルナーはとにかく気力の充実を感じさせる。今夏にクラブと新契約を結んでからは迷いが吹っ切れたかのような好パフォーマンスを連発。チャンピオンズリーグでもここまで3得点とエースの重責を全うしている。

- INA FASSBENDER/AFP via Getty Images

持ち前のスプリント力とシュート精度はそのままに、今季は個人戦術にも磨きをかけている。最前線でセンターバックと駆け引きしたり、サイドのオープンスペースに流れたりするだけでなく、相手の2ライン(DFとMF)間でボールを受けて仕掛ける、あるいは攻撃的MFのマルセル・ザビツァーとのポジションチェンジでマーカーを混乱させる、といったように、オフ・ザ・ボールの質がグッと高まった。

スピード自慢のヴェルナーは以前からライプツィヒのスタイルと相性が良かったが、今季は「ボールを奪ったら一気呵成に相手ゴールを目指す」スタイルとの親和性がますます高まった印象だ。2トップを組んで4年目になるユスフ・ポウルセンとはもはや阿吽の呼吸。大型FWパトリック・シックとも互いの良さを引き出す関係が築けている。スランプに陥るような兆しは一切見られない。

- Jan Huebner/Meiser via www.imago-images.de/imago images/Jan Huebner

その充実を語る上で、ユリアン・ナーゲルスマン新監督の存在も外せない。今季からライプツィヒを率いる32歳の青年監督は、移籍か残留かで揺れていたヴェルナーを慰留したうえで、どこでどのようにプレーするのが最善かを徹底的に教え込み、素晴らしいパフォーマンスを引き出した。今後、ヴェルナーが壁にぶち当たったとしても、指揮官の卓越した分析力と適切な助言は助けになるだろう。

ドイツサッカー界の今、そして未来を担う若きストライカーと指導者が、ライプツィヒに悲願の初タイトルをもたらすかもしれない。

文=遠藤孝輔

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