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bundesliga

前半戦総括:ライプツィヒ

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ライプツィヒがクラブ史上初の“ヘアプストマイスター”(秋の王者)に輝き、ブンデスリーガの歴史に新たな1ページを書き込んだ。今季からチームを指揮するユリアン・ナーゲルスマン新監督の戦術が浸透し、欧州チャンピオンズリーグでも初めてグループステージを突破。チームは今、ドイツだけでなく世界中から注目される大躍進を遂げている。

指揮官はラルフ・ラングニック前監督が植え付けたプレッシングサッカーの特徴はそのままに、ポゼッションの改善に着手。その取り組みがすぐに結果に表れたわけではなく、第6節から4試合連続未勝利という苦しい時期もあったが、それも“生みの苦しみ”に過ぎなかった。

DFB杯2回戦で今季無敗だったヴォルフスブルクを6ー1で一蹴すると、直後に行われた第10節のマインツ戦では8ー0という歴史的な大勝を収めた。そこからは7勝1分けの快進撃を続け、2位と勝ち点2差の首位でシーズンの折り返し地点を迎えた。

ハイプレスからのショートカウンターとMFディエゴ・デメが起点となるボール回しによる仕掛け。その両方が機能している中で、特に輝きを放っているのがエースのティモ・ヴェルナーだ。抜群のスピードを生かしたドリブルや飛び出しで崩しの端緒を開き、ゴール前では非凡な決定力を発揮。ここまで得点ランキング2位につける18ゴールを叩き出している。これは1試合平均1ゴールを上回る驚異的なペースだ。

ナーゲルスマン監督の事細かな指導を受けて輝きを増した選手は少なくない。なかでも得意のドリブルやミドルシュートを武器に、チャンスメーカーとしてもフィニッシャーとしても機能しているマルセル・ザビツァーの充実が際立つ。さらにクリストファー・エンクンクやパトリック・シックら加入1年目のアタッカーも躍動。これがリーグ最多の48得点という攻撃力を生み出している。

ここまで20失点と首位チームとしてはやや失点が多いが、イブラヒマ・コナテとウィリー・オルバンが負傷離脱していた事情を考えれば、むしろよく耐えている。本来はサイドバックのルーカス・クロースターマンを中央に回すなど、ナーゲルスマン監督の用兵が冴えたただけでなく、ペテル・グラシが幾度となく窮地を救うビッグセーブで最後尾から味方を盛り立てた。ちなみに、グラシがロングボールをあまり蹴らなくなった事実からも、チームのポゼッション志向の強まりがうかがえる。

開幕前はバイエルン・ミュンヘンとドルトムントに次ぐ勢力と目されていたが、今や正真正銘の優勝候補へ浮上した。ヘアプストマイスターに輝いたチームがリーグ制覇を逃した例は直近10シーズンで2チームのみ。絶対王者バイエルンの8連覇を阻止し、悲願のマイスターシャーレを掲げることになるのか。後半戦もライプツィヒから目が離せない。

文=遠藤孝輔

- Thomas F. Starke/Bongarts/Getty Images